睡眠中の人体は最も消費カロリーが低い状態なので、ダイエットには関係ないと思われがちです。しかし、実際には、ダイエットを成功させるためには睡眠がとても重要です。さらに、痩せたあとに恐れられるリバウンドにも関係しています。
では、ダイエットと睡眠にはどのような関係があるのかを見ていきましょう。
ダイエットと睡眠の関係1:脂肪の燃焼
ダイエットと睡眠の関係性は、アメリカのシカゴ大学メディカルセンターが行った研究によって明瞭化されています。この研究では、2週間ずつに分けて実験が行われました。2週間は毎日8時間の睡眠、別の2週間は毎日5時間の睡眠として、体重の減り方を比べた実験です。
その結果、毎日8時間の睡眠を確保した場合、5時間しか眠らなかった場合に比べ、脂肪が多く燃焼されることがわかりました。2つのケースを比べると、どちらも被験者には平均で3kgの減少があったため、体重が減りやすくなるわけではありません。
しかし、8時間睡眠のケースでは、減った体重のうち半分以上が脂肪でした。これに対し、5時間しか眠らなかった場合、減少した体重のうち脂肪は4分の1のみだったのです。そして、残りの4分の3に当たる部分は、重要な筋肉やタンパク質が失われていました。
つまり、減る体重は同じでも、長く眠っている人の方が脂肪を多く燃焼できたと言えます。このことから、美しく痩せるためには十分な睡眠が必要であることがわかるでしょう。
ダイエットと睡眠の関係2:カロリー摂取
睡眠不足になると、カロリーを摂りすぎることもわかっています。これはアメリカのコロンビア大学の研究で示された結果で、特に女性にその傾向が見られます。研究の結果は、4時間しか眠らなかった人は、9時間まで眠れる人に比べて、1日に約300kcalも多く摂ってしまうというものです。
この結果には、食欲をコントロールしている「グレリン」と「レプチン」という2つのホルモンが関係しています。
グレリンは胃から分泌されるホルモンです。エネルギーの消費を減らして脂肪を守り、空腹感を刺激して食べ物を欲するよう脳に命令します。つまり、グレリンは過剰に分泌されると太るホルモンです。
レプチンは脂肪細胞から分泌されるホルモンです。食事をしたあとに脳に働きかけ、満腹感を与えてくれます。そのため、レプチンの分泌が正常に行われていれば、食べ過ぎが防がれるため痩せます。
グレリンとレプチンの分泌が、それぞれ正常なら問題ありません。しかし、睡眠不足になるとバランスが乱れ、グレリンの分泌が増えます。短時間しか眠っていない人は、グレリンの分泌が増加し、太りやすい体質になっています。
まとめ
睡眠不足の状態でなんとか痩せたとしても、リバウンドしてしまう可能性が高いでしょう。脂肪の燃焼が少なく、筋肉は減っており、食欲も増している状態だからです。これらのことから、ダイエットに良質な睡眠は必須であると言えます。最低でも6時間、できれば8時間ほどは毎日眠ることを心がけてください。
毎日しっかりと睡眠をとって、美しい体型を維持しましょう。